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PSOStory~幸せを殺した少年の過去~

Category: WelFrideStory  

ネロは廃墟と化した民家が集まる打ち捨てられた小さな街に現れた悪魔達と戦っていた。

「……はぁっ!」

ネロが全身に装備された7本の剣を巧みに使いこなして悪魔を両断していく。

ネロは腰椎に携行している2本のダガーを引き抜いて悪魔に向けて投げつけた。攻撃態勢に入っていた悪魔は攻撃する間もなく、ダガーに貫かれて地面に倒れる。

その背後にいた悪魔が地面を蹴ってネロに飛び掛ったが、ネロはそれをいなすように避けると両腰に装備された2本の双剣で悪魔を斬り裂く。

返す刀で両膝の刀剣を掴み、ネロはそれを1本ずつ悪魔の体に突き立てた。

2体の悪魔がだらりと腕を垂らしてその活動を停止する。

「……残り1体」

ネロは背中の大剣-デア・インペリウムを抜くと悪魔に向かって突進し、懐に潜り込んで横薙ぎに払う。

悪魔の体が活動を停止する。

「……周辺区域に敵の反応なし……任務終了」

そう呟いてデア・インペリウムを背中に担ぎ、周囲を見回した。

黒い煙が廃墟と化した街中のいたるところから上がっていた。

オイルやゴムが燃えた時に発生する汚れた煙が白い空をバックに、街を覆いつくさんばかりに黒い煙がたなびいていた。

「……」

ネロはこの光景に見覚えがあった。

幼い頃ここに似た街でしてきたことが脳裏に浮かぶ。

「……ネロ?」

不意に背後から呼びかけられ、振り返るとエリアが心配そうな表情で立っていた。

「エリア……どうした?」

「どうした?……じゃないよ。帰還予定時間過ぎても帰ってこないから探しに来たんだよ?」

「……そうか、すまない」

「何かあったの?」

ネロのただならぬ雰囲気と寂しげな表情を感じたエリアはネロに問うた。

「だって……悪魔討伐のためにひとりでこんなところにまで来るなんておかしいし、いつもは帰還予定時間にはちゃんと帰ってくるのに……」

そう言われてネロはエリアに隠し事はできないと悟った。

少し考えた末にエリアに自分の感じていることを話そうと決意した。

「お前に隠し事はできないようだな。ちょうどあそこに座れる場所がある」

ネロはエリアと共に壊れた噴水の元へ歩いていった。

半分が崩れ、水もとっくに枯れ果てていたが、2人が座る分には問題ないものだった。

「……この街は、俺が昔住んでいた街に似ているんだ」

「え?」

「住んでいた……と言っても短い期間だがな。使っていた……と言ったほうが正しいかもしれない」

エリアはネロの話を黙って聞いていた。

何か言いたげな表情ではあったが、口を挟むつもりはないようだった。

ネロはそれに感謝して話を続けることにした。


……

俺は悪魔の父親と人間の母親の間に生まれた。

悪魔と人間の禁断の愛は許されるものではなく、両親と俺はすぐに追いかけてきた悪魔に襲われた。

両親は行方不明に、俺はその時のショックで両親の記憶を失い、右腕は悪魔のような腕となった。

それからは、自分の本能のままに、様々な街を放浪していった。

だが、腕が悪魔の様になっている少年など、人々は決して受け入れようとはしなかった。

石を投げられ、集団で暴行を受けることもあった。

その時に耳に入った言葉を俺はよく覚えている。

「おいおい、こんなにやっちまっていいのか?」

「構いやしねーよ。こいつ、悪魔なんだし」

「だな。ガキだろうと悪魔ならこれくらいやったって問題ねーよな」

……

エリア「…………」

ネロ「辛いか?」

呆然としているエリアの横顔を見て心配になったネロは声をかけた。

ネロ「辛いなら無理に聞かなくてもいいんだぞ?」

エリア「う、ううん……平気だよ」

平気と言ってはいるが、目が潤んでいるのは気のせいではないのだろう。

しかし、そのことにとやかく言うのは野暮というものなので、ネロは話を続けることにした。

……

放浪の末、俺はとある街に辿り着いた。

俺達がいまいるこの街と同じ規模くらいの街だった。

俺は旅の途中で拾ったボロ布で腕を隠して街に入った。

他人の目を気にして怯えていたのをよく覚えている。

しかし、長い放浪の疲れの所為か俺はそこで気力を失い、倒れてしまった。

次に目が覚めたのは小さな家の中だった。

傷には丁寧に包帯が巻かれ、右腕に巻きつけていたボロ布は取り払われていた。

そして、目の前には桃色の服を着た女性が部屋に入ってくるのが見えた。

「目が覚めた?具合はどう?」

そう笑って女性は俺の隣に座った。

「……」

「あなた、悪魔なんだね……」

「……!?」

悪魔なんだね、それが当時の俺にとって一番恐れていた言葉だった。

俺は必死に腕を隠そうと躍起になった。

しかし、女性は俺の腕を見ても怖がったり、嫌悪したりはせず、むしろ受け入れてくれるような素振りを見せた。

「別に隠そうとしなくていいよ?あなたと同じような子、何人も知ってるから」

そう言って、女性は俺の右腕に触れた。

「あなた、行くアテないんでしょ?だったら、私のところに来ない?私、孤児院やってるの。あなたのように体が悪魔になった子を専門に引き取る孤児院」

「…………」

「私はね、ユイっていうの。よろしくね」

俺は無意識のうちに頷いていた。

誰かに受け入れてもらえることがすごく嬉しかったからだろう。

……

ユイの言うとおり、彼女の家は小さな孤児院になっており、数人の子供がいた。

その子供達を見ると、確かに俺と同じように手や足、体の一部が悪魔の様になっている子供だった。

ユイに紹介されて子供たちの輪に入ったばかりのころは周りとうまく接することができなかったが、日にちを重ねるごとに徐々に打ち解け、1年が経つ頃には家族と思えるような関係になっていた。

同じような境遇の子供達とそれを優しく見守ってくれるユイの存在。

次第に俺は自分の居場所を見出していった。

……

「だが、その幸せも長くは続かなかったがな……」

「え?」

「それから少し経った後、孤児院の子供は街の人に引き取られることになった。悪魔の体だろうと関係なしに受け入れてくれる人のところだ」

「どうして急にそんなことを?」

「街の人々がユイの行動を見ていたんだ。悪魔の体でも普通の人間となんら変わりないことを彼女は日々訴え続けていたんだ」

「……それならなお更、幸せだったんじゃないの?」

「それと同時に当時、俺達の街の近くでは戦争が続いていた。大規模な街と俺達の住んでいる街を含めた小規模な街による戦争だ」

「戦争……」

「そして、悲劇が起きた。忘れられないあの悪夢が」

……

俺は孤児院のユイの元に残り、他の子供達もそれぞれの里親の元に引き取られていった。

引き取られたと言っても、小さな街だったから頻繁に顔を合わせることもあった。

ただ、住む場所が変わっただけ……のはずだった。

ある日、武装した大人たちが俺を含めた孤児院出身の子供達を街外れの広場に集めた。

そして、俺達は大人達に偽りの神の教義を刷り込まれた。

自分達は大切なものを守るために戦う神に選ばれた戦士なのだと。

神に選ばれた戦士になるための試練だと言われて拳銃を手渡された。

……

「…………」

「ネロ?大丈夫?」

気が付くと、エリアがハンカチで俺の額の汗を拭ってくれていた。

そのことに気が付かないほど、入り込んでしまっていたのだろうか。

「ああ、すまない……」

「ならいいけど、ネロ……辛そうだったから」

「……続けるか?辛い思いをするぞ?」

最後の警告だった。

これ以上エリアに自分の醜い過去を聞かれたくない。

それを聞かれた時、エリアがどんな反応をするのかをネロは無意識に恐れていた。

「大丈夫……ネロのことだから。ちゃんと聞いておきたいの」

そう言ってハンカチを握りしめるエリアの表情はお世辞にも大丈夫とは言えなかった。

それでも、エリアは聞くといって聞かないのだろう。

一度決めたら梃子でも動かない性格なのは昔からの付き合い故に理解していた。

「わかった……ここまで来たからには最後まで話そう」

ネロは少し間を置いた後、当時の忌まわしい記憶を呼び起こしながら重い口を開いた。

……

「君達が神の戦士となるには、やらなければならないことがある。それは……」

その言葉を聞いた俺は自分の家に向かった。

大人達から渡された拳銃を神の宝具のように抱きしめながら。

他の子供達も同じように、自分の里親の待つ家に駆けていった。

そして……

俺は殺してしまった。

自分の母親同然の人を。

抱きしめて愛してくれた人に銃を向けた。

ユイは信じられないような顔をして俺を見つめていた。

涙で頬を濡らしながら、「どうして……」とすがりつくように言った。

何度も俺ことを呼んでいた。

「何故なの!?どうして……」

「…………」

俺はその声を銃声で掻き消した。

母親になってくれた人の額に向けて引き金を引いた。

びちゃりと音を立ててユイは倒れた。

「…………」

何も感じていなかった。

それが正しいことだと言われ、正しいことだと思っていた。

神の戦士になるために必要なことだった。

他の子供達も同じように里親を殺していた。

血で汚れた体を引きずって家から出ると、大人達が迎えてくれた。

「おめでとう!これで君達は神に認められ、聖戦に参加することを許された戦士となった!」

それからは地獄のような日々だった。

毎日のように訓練を受けさせられ、銃やナイフの使い方、人の殺し方を頭に叩き込まれた。

何人もの人を殺した。

そして最後には大人達に捨てられ、俺以外の子供は皆死んでいった。

……

「…………」

エリアはネロの話を最後まで聞き続けた。

ネロも達観しているのか、諦観しているのか、あるいは心の中で整理が付いているのか、最後まで淡々とした口調で話し続けていた。

「……その後は大人達に捨てられ、俺は保護された」

ネロは離し終わると同時に静かに瞼を閉じた。

「それが、ネロの過去なんだね……」

「ああ、だが……もう終わったことだ。悔やんでも俺のしたことが変わるわけでも、許されるわけでもない」

エリアはネロの話を聞いてネロが何故自分の幸せを掴もうとしないのか、その理由を察した。

幼い頃、偽りの教義を刷り込まれ、洗脳されていたとは言え、自分の意思で母親同然の人を殺してしまった。

それはネロの中で深いトラウマになっているのだろう。

それでも、終わったことだと自分に言い聞かせているのだと。

気にしないで、とは言えなかった。

エリアにできるのは、ただネロをみつめる事だけだった。

「…………」

「俺にできるのは、先のこと、未来に向かって生きていくことだけだ。もちろん、お前や仲間達と一緒にな」

そう言ってネロは立ち上がった。

「ネロ……うん、そうだね」

その言葉を聞いたエリアも立ち上がった。

「大分時間を使ったな。そろそろ帰還しよう」

「うん……」

その後2人は特に気にした様子もなく、帰還した。

しかし、この出来事はネロとエリア、2人だけの秘密となった……
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 2014_05_11

Comments

No title 

そしてサボテンが生えた
鯛  URL   2014-05-11 22:53  

Re: No title 

> サボテン置きたいなぁ
ネッツー  URL   2014-05-13 03:39  

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プロフィール

ネロ

Author:ネロ
Ship4にて大小の差はあれど活動中。

故にPSO2の活動記録を中心に更新予定。
それ以外の事も気分次第であげていく。

そんな気まぐれな主の気まぐれブログ。

~主な更新内容~

PSO2(キャラのSS集/クエスト、アイテム記録)

趣味でやってるSSや設定など(順次更新予定)

その他(上記2つ以外のゲームや趣味について)


~PSO2やSSに登場するマイキャラの紹介~

     現在画像準備中

ネロ・クレイトス
自分の感情を表に出さないクールな性格。

エリア・リオン
明るく優しい水の精霊。
穏やかさと力強さをもつ女性。

ローズ・クレイトス
ネロの妹であり、感情を表に出さない少女。

アーバイン・サザーランド
様々な銃を使いこなすスナイパー。
飄々とした性格で組織のムードメーカー。

レシア・ライオット
法撃を得意とする妖艶な女性悪魔。
掴みどころのない性格だが、物事の本質を常に捉えている。

レイ・クローディア
良くも悪くも真っ直ぐな心を持つ少年。
守りたい者を守るために強くなることを夢見ている。

クイン・フォルネウス
普段はおとなしいが戦闘になると凶暴になる。

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