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レシアが姿を消してからネロ達は一時間近くレシアを捜索していたが、レシアを見つけることはできなかったため、一度拠点であるフリーデンに帰還した。

しかし、フリーデンに帰還したネロ、エリアとアーバインの間に流れる空気は重々しかった。

アーバインは武器格納庫に設置された椅子に腰掛けて、顔をうつむかせていた。

「レシア……」

音を立てて奥歯を噛みしめ、その隙間から呟きをもらす。

「どうして……どうしてなんだよ」

後悔の嵐が彼の心に吹き荒れ、さらに痛めつけていた。
それは、帰還した直後にネロからレシアが遥か昔に魔王によって生み出された悪魔であること、魔王の命令で顕界のスパイをしていたこと、生み出した魔王が消えた事で悪魔としての記憶を失ない、人間として生きてきたこと、最近悪魔と相対する時に魔力の高ぶりを感じ、体調不良になり、それが悪魔に戻る兆候だった事を聞かされた事が原因だった。

「クソッ……」

あの時ああしているば、あの時こうしていれば、何百もの″ありえたかもしれない未来″が浮かんでは消えていく。

「レシア、どうするのかな……」

エリアが小さく呟いた。
それはこれからレシアと戦うかもしれないという心配の言葉だった。

「……あいつは戦場に出てくるはずだ」

淡々と諭すような口調の声にアーバインは前屈みにしていた上半身を上げた。
ウェーブがかった銀髪を揺らしてネロは、アーバインと数メートルの距離に立つと言った。

「悪魔として生きて来なかった悪魔は悪魔としての自覚を持った者はどうしていいかわからず、死に場所を求める事がある。その時……」

「わかってるよ」

と、ネロの言葉を遮った。

「言われなくてもやることはやるさ。相手は悪魔だしな。引き金くらい……」

「強がるな」

半ばやけくそ気味な口調の言葉を遮られ、アーバインは顔色を変えた。
生意気な、という思考が精神網を駆け抜け、思わず険しい目を向けるが、ネロは眉ひとつ動かさずにやはり淡々とした口調で言葉を続けた。

「お前は彼女を取り戻す事を考えろ」

「……」

「お前にはレシアと戦う理由がない」

アーバインはカッとなって

「あるだろ!」

と、反抗的な言葉をネロに叩き付けた。

いつもならば絶対に聞くことのないアーバインの様子にエリアが体を震わせたのが見えたがアーバインにそれを気にする余裕はなかった。

「……戦えない理由の方が強い……違うか?」

「…………!」

ネロのその言葉で黒く膨張しようとしていたアーバインの反発心は、あっけなく打ち砕かれた。
先程まで思い煩っていた苦悩をいとも簡単に見破られたのである。

そして、アーバインが心の整理をつけられないまま……フリーデンの艦内に敵襲を報せる警報音が鳴り響いた。


……


フリーデンのセンサーが捉えたのは多数の悪魔の存在だった。

魔力を媒体に産み出されたであろう下級の悪魔が多数。
そして下級悪魔のに混じっての強力な悪魔の反応が3つ。

ネロ、エリア、アーバインの3人はその中にレシアがいるという事を本能的に感じていた。

「この反応、レシアとこの前の2人だよね……」

確認するようなエリアにネロが返す

「ここに来るということはおそらくな……」

「どうしてここに?もしかして……私達を倒しに?それとも死に場所を求めて……」

認めたくないのかエリアが小声でそれを口に出した。

「いや、倒しにくるならあの程度の戦力で来るはずがない……何か理由があるはずだ」

「どっちだっていいさ」

2人の会話を聞いていたアーバインが吐き捨てるように言った。

「あいつが俺達を倒しに来ようが別の目的があろうと、あいつを連れ戻しちまえば関係ねぇ」

「そうだね……レシア、絶対に連れ戻そう!」

「了解した……レシアはアーバインに任せる。残りは俺が引き受ける」

「わかった。じゃあ私はここに残るよ」

そうして3人はブリーフィングルームを出て各々準備を整えて出撃して行った。

……

ネロとアーバインが出撃し、悪魔達を捉えたのと同時に悪魔側もネロ達を捉えていた。

「あの悪魔……!」

下級悪魔の上に強力な魔力を感じさせる3人の悪魔が見えた。

黒い爪と翼を持った漆黒の悪魔と赤い爪に赤い翼の紅の悪魔。この2体は先刻ネロ達が退けた悪魔であることはわかっていた。

そして最後の1人顔を仮面で覆ってはいるが薄紫の髪に女性的な身体、そして見覚えのある長杖からそれがレシアである事をネロとアーバインが瞬時に理解した時だった。

漆黒の悪魔と紅の悪魔がそれぞれ違う方向に散開すると同時にその奥から仮面を着けたレシアが長杖を構えその杖から圧倒的な光量を持つ巨大な法撃を放った。

それは戦闘開始を告げる号砲である。

レシアの放った法撃は凄まじい破壊力を有しているだろう。
しかし、お互いに距離が離れすぎている。
射程距離の長さと破壊力は驚嘆な値するものだがそれをかわしきれないネロ達ではない。
事実ネロとアーバインは十分な余裕を持って法撃をやり過ごそうとした。

しかし、2人はその余裕をすぐに翻す。

かわしたはずの法撃が透明な鏡に当たって反射したかのように軌道を変え、ネロとアーバインにおそいかかってきたのだ。

「法撃が……」

「曲がっただと……!」

ネロとアーバインが驚愕の言葉を吐く。
しかし、過ぎた事を気にしている余裕はなかった。
次なる法撃が2人に向かって接近してきていた。
ネロはその法撃をかわしながらアーバインに無線を通じて呼び掛ける。

「アーバイン、ここは俺が引き受ける。お前はレシアのところに向かえ」

「オーライ!任せた!」

アーバインが進路をレシアに向けて先行して行くのを見届けるとネロは両腰に装備された2本の実体剣を抜いて構える。

「お前達の相手は、この俺だ!」


……



「レシア……」

アーバインはレシアが戦場に出てくる事をこれっぽっちも疑っていなかった。
それはネロが、保証してくれたことだ。

「……!」

レーダーの電子音によってアーバインの動きが止まる。

その視線の先に先ほど遠目に見えていた仮面を着けた女性が右手に剣の様な得物を構えて突進してきた。

アーバインは両手に構えていた狙撃銃を放り捨て、両腰に装備しているピストルを掴んで容赦なく叩きつけてくる敵の得物をコーティングされた銃身で受け止めた。
激しい衝撃と振動。
敵の得物とアーバインのピストルから激しいスパークが四方に長く枝を伸ばす。

果たしてアーバインの予想は当たっていた。
得物をぶつけ合う中アーバインはレシアの持つ波動を感じていた。

「レシア!」

アーバインは彼女に呼び掛けた。
しかしそれは、彼女を説得しようというものではなく、感情に基づく反射的なものだった。
たった1日前までアーバインはレシアと甘い時間を過ごしていた。
それが今は敵同士となり武器を交えている。

「うおおおっ!」

喉から雄叫びを迸らせ、アーバインはレシアを乱暴と突き飛ばして距離を取った。
つばぜり合いのままでは銃が使えず、何より拉致があかない。
一度は引き離したレシアが空中の壁を蹴って跳ね返るように、右手の得物を振り上げ遅いかかってくる。

アーバインはその攻撃を左手のピストルで防ぎ、右手のピストルでレシアの懐を狙ったが引き金を引く前に素早く後退され、レシアの防具を削る程度に威力を抑えた弾丸が空中です飛び去っていった。

威力を抑えていることを読んだのか、レシアが弾丸の雨を左手に展開した魔力による盾の様なもので防ぎつつ、右手の鈍い光を放つ剣……おそらく先ほどレシアが持っていた長杖を変形させたもので斬りかかってくる。
激突し、弾きあい、レシアが斬撃と同時に放つ法撃を交わし、応射し、再びもつれ合う。

ぶつかり合い、距離を離す度にレシアがこちらを誘うように戦線を離れていくことをアーバインは察していた。
自分達の艦に攻撃を仕掛けている悪魔達を倒すことだけに専念するのであれば、レシアを追わず牽制するだけにして、ネロとエリアの加勢に行くだけでよい。

「…………」

わずかに考えた末にアーバインはレシアの誘いに乗った。
レシアを追ってアーバインは戦線を離れていく。
ネロ達に対して不利になるということは重々承知していた。
だが、そうする事が正しいと判断した。
アーバイン・サザーランドとしてそうする必要が彼にはあった。

-続く-
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プロフィール

ネロ

Author:ネロ
Ship4にて大小の差はあれど活動中。

故にPSO2の活動記録を中心に更新予定。
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そんな気まぐれな主の気まぐれブログ。

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