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「……」

ヴェルフリーデの一員であるレシアは長杖を構えて法撃の準備をしていた。

先刻、多数の悪魔が密林区に現れたという依頼を受けてレシアはアーバイン、ネロ、エリアと共に指定された密林区に出向いて悪魔を殲滅していった。

近接戦闘に特化した装備のネロが前に出て悪魔の注意を引き付け、刀とボウガンを装備したエリアが中距離でネロに注意を向けた悪魔を次々と撃破していく。レシアの視点では確認できないが狙撃主のアーバインもどこかに身を隠し、目標をエリアに変えた悪魔の頭を撃ち抜いていった。

ここまでネロとエリアが悪魔の囮となってくれたおかげでレシアは安全に法撃攻撃の詠唱を続けている。端末を確認すると残っているのは4体の悪魔だけとなっていた。
エリアの後ろにネロ、そしてその後ろに自分がいる。詠唱を続けながらレシアはこの配置がなにかを察した。昔、ネロ達と考案した連携だ。

エリアが持ち前の高速移動を生かして敵に向かってボウガンで牽制の矢を放つ。敵が散開したのと同時に、エリアの背後からネロが突撃して装備していた剣を銃に変形させて散開した敵に向けて弾丸を放つ。

ネロは近接戦闘に特化してはいるが、銃に変形できる剣を装備することで射撃戦もこなせるようにしていた。
しかし、そのネロの攻撃も牽制だ。悪魔の1体を足止めしてネロに注意を向けさせるための。

「……ふふっ♪」

その隙にエリアが旋回してネロが足止めした敵の死角に接近していった。悪魔がそれに気付いた時にはもう遅い。
エリアが鞘に収められた刀を抜いて、悪魔の頭と右腕を切り落とし、もう一体の悪魔に向けてボウガンを連射する。

それをしっかり目視していた悪魔が両腕を交差させてそれを防ぐが、それも連携のひとつだった。
エリアが牽制している隙にネロが死角から迫る。実体剣を構えたネロが悪魔に向かって突進していった。

悪魔がそれに気付いて間一髪で腕から生えた爪のような部分でネロの剣を受け止めるが、ネロの力を抑えるまでには至らず、腕ごとその身体を両断された。

「仕上げかしら……♪」

そう呟いたレシアが準備していた法撃の斜線を捉えた。
ネロとエリアが派手に動いて敵を倒し、残りの悪魔の注意を引きつけている隙にレシアが詠唱を続けていた大出力の法撃で敵を殲滅する。

そしてそれはうまくいき、レシアの長杖から大出力の法撃魔法が発射され、残りの悪魔を呑み込んだ。
ほんの一分にも満たない時間で残っていた4体の悪魔を撃破した。
4人は戦闘中、一切の通信を行っていない。それでも仲間達はレシアに応え、レシアは仲間達に応えた。

「これが、仲間か……」

その感慨にふけっているとネロとエリアがレシアの元に集まった。

『さぁて、帰ろうぜ!』

通信端末からアーバインの声が届き、ネロがキャンプシップに帰還するためのテレパイプを展開させる。
ネロがテレパイプの中に入り、エリアとレシアも続いて中に入っていった。


「よっ、お疲れ!」

テレパイプを使ってキャンプシップに戻るとスナイパーライフルを背負ったアーバインがキャンプシップで待っていた。
4人とも帰還に設定してあるキャンプシップは同じなので、距離が離れていようがこうして合流することができた。

「……お疲れ」

「お疲れさまっ♪」

ネロとエリアがアーバインに返事をする。

「エリアも随分前線で活躍できるようになったな」

端末を通して遠くから様子を見ていたアーバインがエリアの戦闘内容を褒めた。

「そうかな……///

褒められたエリアが顔を赤くする。

「そうね~♪杖持って後ろの方で縮こまってたのが懐かしいわ♪」

「わわっ、レシア!その時の事は言わないでよ!!///

昔の自分の話をされたエリアは顔を赤くして両腕をぶんぶんと振る。ヴェルフリーデの組織の中で年長組の一員であるエリアは年少組からは姉のように慕われているが、年長組の間ではこのようにいじられることが多い。
そんなエリアをレシアは妹のように可愛がっていた。たまにやりすぎてへそを曲げられることもあるが。

「でもちゃんと上達して一流の法撃士になってたじゃない。それなのに、次に会った時には刀握って前線に立ってるんだもん」

レシアの言葉にアーバインも、「今からでも法撃士に戻ってもいいんじゃないか?」と続けたがエリアは

「え、えっと……///

と顔を赤くして口ごもっていた。

「ダメよ、アーバイン。法撃士に戻ったら愛しのネロと肩を並べて前線に出れないじゃない♪」

「レ、レシア!///

耳まで赤くなったエリアがレシアの腕を掴んでぶんぶんと振る。

「あー、そりゃ気が利かない事を言っちまったなぁ!」

とアーバインも悪乗りするが当のネロには聞こえていないようだった。

「ほ、法撃士ならレシアがいるじゃない!私は前線で戦うって決めたんだから……レシアの方が法撃士としての実力も技量も高いじゃない」

「そう言われるとそうだな。初めて会った時からお前の法撃は規格外だったよな。あんなのどこで覚えたんだ?」

「さぁ、どこかしらね」

と応えたもののレシアはその問いにどう答えようか迷っていた。自分がどこで生まれ、どんな風に育ち、どのようにして戦闘技術を身に付けたのか、それら全てを思い出すことが出来なかった。
今までは持ち前の飄々とした性格と話術で流していたが、何度も聞かれたら流石にボロが出るだろう。

(それに……)

仲間達に悟られぬようにレシアは1人もの思いにふけった。最近おかしな夢を見るようになったのだ。誰かに命令されるような、そんな内容だった。そして、悪魔と戦う度に何故か魔力がざわめくような感覚を感じる事があった。

「……シア!レシア!」

「え、何?」

アーバインに呼びかけられてはっと我に返った。予想以上に深く考えていたらしい。

「大丈夫か?何か調子悪そうだったが」

「え、ええ……ちょっと疲れたみたい。今日はもう休むわね……お疲れ様」

そう言い残してレシアは部屋に向かった。



任務が終わった日の夜、レシアはネロの部屋を訪れていた。

「ネロ、ちょっといいかしら」

「レシアか……どうした?」

部屋のドアを開けたネロは意外な来客に一瞬目を見開いたがすぐに口元を引き締め、レシアに中に入るように促した。
部屋の中に入ったレシアは近くのソファに腰掛けた。

「何か飲むか?」

「……じゃあ、コーヒー」

そう伝えてから数分後、両手にマグカップを持ったネロが片方をレシアに差し出した。

「ありがと♪」

マグカップ受け取り、立ちのぼる湯気と香りを楽しんで、口をつけた。ネロが淹れたコーヒーが舌を刺激して、ようやく一息つけたような気分になれた。

「それで、どうした」

同じようにコーヒーを飲みながら、ネロが向かいのソファに腰掛けた。

「実は、ちょっと相談があってね……」

「言ってみろ」

少しも驚いたような素振りを見せずに淡々とそう言った。その様子に感謝してレシアは昔の記憶が無い事、最近自分が悪魔と相対すると魔力がざわめくような感覚の事を話した。

「……ふむ」

ネロは黙ってレシアの言葉を反復しているようだった。
少し前、魔界は王を失い魔界に残された悪魔達は本能のままに人間達を襲い、魔界と人間界は大混乱となった。
そんな中、人間と悪魔の血を引いた存在であるネロは魔界の王となり、その大騒動を治めたのだった。故にネロはヴェルフリーデの中で悪魔の事に関してトップクラスの知識を持っていた。

「……」

突然ネロが無言で立ち上がった。

「わっ、びっくりした……どうしたの?」

そう問いかけた時、ネロの表情は若干影を落としていた。普段感情を表に出さないネロだがレシアはネロとかなり付き合いが長いため、エリアやアーバイン同様に多少の変化が読み取れるのだった。

「すまない、少し出かけてくる」

心なしか、緊迫している様にも見えた。

「え、ええ……わかったわ」

「せっかく来てくれたのにすまないな」

「ううん、いいの……」

そうして、ネロは部屋から出て行った。

「…………」

レシアはネロの様子を思い出していた。自分の事を話を聞いた後のネロの様子はどこかおかしかった。
悪魔絡みの事だったので悪魔を統べるネロに相談をしたのだが、これは自分が思っている以上に良くない事なのだろうか。

「……ふぅ」

カップのコーヒーを飲み干し、カップをテーブルに置くと向かいには半分以上残ったネロの冷めてしまったコーヒーが置いてあった。



ネロの部屋を後にしたレシアは自室に戻り、はぁっ…と溜息をついた。
寝間着に着替えてベッドに入ると隣には古くからの仲間であり恋人でもあるアーバインがすぅすぅと寝息をたてていた。
それを見たレシアは愛する恋人にぴったりと体をくっつけて目を閉じた。

「ん……レシア?」

不意に自分の名前を呼ばれたのを感じてゆっくり目を開けて視線を上に向けるとアーバインがレシアを見ていた。

「あ、ごめん……起こしちゃったかしら」

「誰かさんのおかげでな」

そう言ってアーバインがレシアの肩を抱いた。その温もりがとても心地よくてレシアはくすくすと笑った。

「なにがおかしいんだ?」

「ん~なんでもない♪ただちょっと……」

「……?」

「幸せだな……って」

そう告げるとアーバインは照れくさくなったのか指先でレシアの額を小突いた。

「……いたっ」

小突かれたレシアは額を押さえて不満げな表情を浮かべていたが、反撃とばかりにどんっとアーバインの胸に自分の頭を乗せた。いつもの光景だった。アーバインに好きだ、愛していると告げられて自分もその気持ちに応えて唇を重ねたその日からずっと繰り返している光景だった。お互いの愛を確かめ合ったり、他愛の無い思い出話をしたり2人にとっては当たり前の光景、しかしレシアにとって何よりも幸せな光景だった。

「そういや、レシアには兄弟とかいるのか?家族は……?」

「家族?」

「ああ……」

「あたし……の……」

純粋な好奇心で聞いてきたのだろうが、レシアはどうしていいのかわからなくなり、ゆっくりと体を起こした。
その時の記憶が無いレシアはただ沈黙するしかなく、レシアは頭を両手で抱えて必死に思い出すように背中を丸めた。

「レシア?」

恋人の普通じゃない様子にアーバインも体を起こして、レシアの顔を覗き込んだ。

「あ、あたしは……」

その表情は何も知らない人間なら過去に思いを馳せているように見えるだろう。しかし、アーバインには何も無い場所で必死にあがいている、または泣き出してしまいそうな表情に見えていた。

「……あたしは……その……」

アーバインはゆっくりと優しく、レシアを抱きしめた。

「言いたくないなら言わなくていいさ。俺とお前はここにいる。それだけで十分だろ?」

「……アーバイン……」

少しだけ体を離してお互いの唇を重ねた。
目を閉じてのキスはお互いの存在を感じさせた。アーバインが背中に回した腕に力を込めたのを感じるとレシアもしがみつくようにアーバインの体を抱きしめた。もう離したくないと、力を込めると不意に意識がどこかに飛んでいくようなそんな感覚に襲われた。アーバインの存在すらも感じなかった。代わりに感じたのは真っ黒な影。

「……、………。」

黒い影はレシアに夢で見た時と同じように何かを命令しているようだった。
夢とは違い、人間、悪魔、魔界という単語が聞こえたが内容は途切れ途切れで何を言っているのかはわからない。

「レシア……レシア、レシア」

レシアの意識はアーバインによって引き戻された。気が付くと唇を重ねていたはずのアーバインはレシアの両肩を掴み、軽く揺さぶっていた。

「え……あれ……あたし……」

きょろきょろと周りを見回すレシアにアーバインは軽く苦笑して見せた。

「ったくキスの途中で呆けんなよ」

そう言うとアーバインは先程と同じようにレシアの額を指先で小突いた。

「……ごめん」

謝ってレシアは甘えるようにアーバインに体を預けると、アーバインはしっかりと抱きしめた。

「…………」

腕の力は抜いていたがアーバインの表情は硬かった。首を傾げるレシアを安心させるようにアーバインはゆっくりと囁く。

「心配するな……俺が絶対に守ってやる」

そう言ってアーバインはいつの間にか腕に力を込めていた。アーバインが腕をほどいたのは、数秒後、抱きしめられていたレシアが「ちょっと苦しい……」という呟きを聞いてからだった。
アーバインは我に返って「わるい……」と謝った。

-続く-

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 2014_08_24

臨時更新

Category: 日常  

レシア:設定

はい、どうもーネッツーです。

キャラ設定のところに新キャラ、レッシーことレシアの設定を追加いたしました。

魔界でクイーンと呼ばれているお方ですね。

それ絡みのストーリーも作成中だったり……

さてさて、PSO2ですが、今週のアップデートで新緊急クエストやらが追加されましたね。

色んなキャラの水着姿が拝めてなかなか楽しいクエストだと思いました。マップ構成が全く変わってないのであんまり面白くは無かった。

色々と報告したいことはあるのですが、SSも何も用意してないので報告はまたいつか……

あまり短く締めるのもあれなので、ちょっと気になったことを……

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…………誰?

では、また次回の更新で~

 2014_08_17


天界
人間の住む人間界、悪魔の住む魔界と同じくらい昔から存在している天使が納める世界で、人間の住む人間界の遥か上に存在している。
天界の中心には命を育む「生命の樹」と呼ばれる巨大な大樹が存在しており、その頂点に天界を納める天使たちの住む天使の宮殿がある。
この樹には命を咲かせる力があり、本来土を使わなければ栽培できない作物なども生命の樹で栽培することができ、同時に生命の疲労を回復させる光を常に発しているため、天界に住む者は疲労することなく、伸び伸びと暮らしている。
天界に住む天使たちとの交流を深めた他種族の者も多く、天界に居心地の良さを感じて自分の住む場所に帰らずここに留まって生活する種族も多い。
天使は争いを好まず、基本的に他種族と進んで交流をするが、悪魔とは水と油の関係であったため、長い間対立が続いていた。
ネロが魔王となり天使の長であるミカエルと交流を深め、悪魔が天使と何度も共闘したこともあり、現在はぎこちないがある程度の交流を続けている。

天使
天界を納め、天界の平和を守る最上位の存在の総称。
人間界で生涯を終えた人間は天界にその魂を移し、新しい人生を送る。(人間だった頃の記憶は当然無い)
生まれ変わった際に特別大きな魔力を持つ者がおり、その者達は天使と呼ばれる階級が与えられる。
天使の階級を与えられた者には煌びやかな翼が与えられる。
その枚数は階級によって変わり、天使を統率する大天使長は12枚、大天使は6枚、それ以下の天使は4枚、または2枚となっている。
また、翼には司る属性の色が反映されるようになっており、どの天使も自分の属性と同じ色の美しい翼をとても気に入っているようだ。

 2014_08_05



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プロフィール

ネロ

Author:ネロ
Ship4にて大小の差はあれど活動中。

故にPSO2の活動記録を中心に更新予定。
それ以外の事も気分次第であげていく。

そんな気まぐれな主の気まぐれブログ。

~主な更新内容~

PSO2(キャラのSS集/クエスト、アイテム記録)

趣味でやってるSSや設定など(順次更新予定)

その他(上記2つ以外のゲームや趣味について)


~PSO2やSSに登場するマイキャラの紹介~

     現在画像準備中

ネロ・クレイトス
自分の感情を表に出さないクールな性格。

エリア・リオン
明るく優しい水の精霊。
穏やかさと力強さをもつ女性。

ローズ・クレイトス
ネロの妹であり、感情を表に出さない少女。

アーバイン・サザーランド
様々な銃を使いこなすスナイパー。
飄々とした性格で組織のムードメーカー。

レシア・ライオット
法撃を得意とする妖艶な女性悪魔。
掴みどころのない性格だが、物事の本質を常に捉えている。

レイ・クローディア
良くも悪くも真っ直ぐな心を持つ少年。
守りたい者を守るために強くなることを夢見ている。

クイン・フォルネウス
普段はおとなしいが戦闘になると凶暴になる。

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